AC-2Sシリーズは、大気中で電子を一つ一つ計数できる世界で唯一の装置であるオープンカウンターを用いた大気中光電子収量分光装置(PYSA:Photoemission Yield Spectroscopy in Air)です。
　試料表面に分光された紫外線を照射し、放出される光電子をオープンカウンターで計数します。照射紫外線のエネルギーとサンプルからの光電子放出量との関係から仕事関数(WF)、イオン化ポテンシャル(IP)、電子状態密度(DOS)など物質の電子状態を見積ることができます。
　有機ELや有機太陽電池など電子デバイス材料の研究・開発現場において、仕事関数、イオン化ポテンシャル測定の標準的な装置として使用されています。

【主な特長】
・光電子の検出感度が極めて高いため、測定中の照射紫外線量と放出光電子量は極めて微量で、
　試料表面に対する負荷が少なく、絶縁材料、有機材料も測定可。
・大気中，非接触で測定されるため、試料の形状を選ばず、粉体や液体もそのまま測定可。
・サンプルの入れ替えが簡単にでき、短時間で測定可。
・従来機種をより使いやすくしたAC-2Sと、より高機能なProモデル（AC-2S Proα, AC-2S Proβ）を、ラインナップ。
（Proモデルは①高温測定、②新光源の採用、③微小領域測定、④低エネルギー測定に対応）

【主な用途】
・有機EL(OLED)、有機太陽電池(OPV)、有機トランジスタ(OTFT)、燃料電池(FC)、光触媒等
　の材料の電子状態測定。
・新規有機機能性材料、グラフェン、フラーレン、カーボンナノチューブなどの炭素系材料、
　酸化物材料、ナノ粒子材料の電子状態測定。
・ボンディングワイヤー表面の潤滑油の膜厚測定。

【エネルギー範囲】
　AC-2S：3.4～6.2eV
　AC-2S Pro α：2.0～6.2eV
　AC-2S Pro β：3.4～6.2eV